故障懸念は杞憂 松井裕樹のフォーム「問題なし」と専門家

公開日: 更新日:

「ヒジの高さは見た目の高さでなく、両肩を結んだ線の延長線上よりも上か下かで判断します。上手投げの投手も下手投げの投手も、実はこの3点がほぼ一直線になります。松井選手の高校時代のフォームを見る限り、リリース時には両肩の延長線上に左ヒジがあり、問題ないとみます。

 そして、ヒジの高さを決めるのは、肩本来の柔らかさだけではなく、肩甲骨の柔らかさです。水泳選手が入水前によくやるストレッチで、腕を伸ばしたまま頭上で手のひらを合わせますが、両ヒジが頭の後ろに入ります。あの肩甲骨の柔らかさが重要なのです。そして、肩甲骨が硬い投手は肩やヒジを故障する可能性が高い。松井投手は肩甲骨が硬いような動きには見えない。ヒジに負担があまり残らないのでしょう。

 左利きの場合、ボールリリースの直前に左肩、左ヒジを結んだ線は一塁方向に向きますが、この状態で前腕やボールを後方に残せば残すほど、左ヒジ内側の靭帯に負担がかかる。彼の場合は早い段階でヒジが捕手側を向いて、ヒジの内側には負担がかかっていないようです。例えば、松坂投手(現メッツ)は150キロ以上の剛速球を投げるため、ヒジを後方に極力残すフォームがたたって、ヒジに負担がかかり最終的に手術をしました。ヒジを後方でためればためるほど球威は増すのでそうしたのでしょう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝