ベルギー追い詰めた米国 「サッカー不毛」返上チャンス逃す
3大会ぶりのベスト8進出を懸けた米国がベルギーと対戦。序盤から防戦一方で、ベルギー攻撃陣にシュートを浴びまくる。それでも、GKハワード(35)がスーパーセーブを連発。DF陣も体を張ってシュートを阻み、0-0のまま延長戦に突入した。
延長前半3分、31本目のシュートを放ったMFデブルイネ(22)に決められ、15分にもFWルカク(21)にゴールを許す。米国は延長後半2分にMFグリーン(19)が1点を返した後も猛攻を見せたが及ばなかった。
米国にとって、今回のW杯は「サッカー不毛の地」の汚名を返上する大チャンスだった。米国では「4大プロスポーツ」といわれるアメリカンフットボール、野球、バスケットボール、アイスホッケーの人気が高く、サッカーのプロリーグは「発足しては潰れる」というパターンを繰り返してきた。
しかし、96年にスタートしたメジャーリーグサッカー(MLS)が若年層を中心に定着。12~17歳の世代では、野球と並ぶ人気を博しているとの調査結果が出ている。
「MLSの昨シーズンの観客動員数は600万人を超え、経営基盤も安定している。クラブ数も、現在の19から20年までに24に増える予定です。17年には、元イングランド代表のスター選手であるベッカムが、オーナーとしてマイアミに新しいクラブを設立することも決まっています」(サッカー誌記者)
今大会の注目度も高く、1次リーグのポルトガル戦は全米テレビ視聴者数がサッカー番組史上最高の2470万人を記録し、野球のワールドシリーズを超えた。
ベスト8に進出すれば、さらなる起爆剤になったはずだが、ガックリだろう。