勝つためにそこまで…甲子園出場校にも「殴る指導者」はいる

公開日: 更新日:

 今回の甲子園にも出場する、ある強豪校の話だ。何年か前の公式戦。その学校の1番打者は、監督からプレーボール直後の第1打席でバッターボックスの内角寄りのラインを消してこいと言われた。

 2番以降の打者が極端にホームベース寄りに立つことで、相手投手に内角球を投げにくくさせるのが狙い。バッターボックスの白線があったんじゃ、ベースに寄り過ぎだと審判から注意される可能性もある。それで1番打者は足場をならすふりをして白線を消してくるよう命じられたのだ。

 ところが、初球から甘い球が来て、つい、打ちにいったのか、バッターボックスの白線をうまく消せなかった。すると監督は激怒。戻ってきた選手をつかまえてベンチ裏へ。そこにはたまたま地方紙の記者がいたもののお構いなし。記者の目の前で、「なぜ、言われたことをやらない!」と、その1番打者をボコボコにブン殴った。

 1番打者は怠慢プレーでミスをしたとか、全力疾走を怠ったとか、明らかな落ち度があって殴られたわけではない。よしんば落ち度があったにせよ、暴力はご法度だ。ただでさえ許される行為ではない上、バッターボックスの白線を消すという理不尽な指示に従わなかったがゆえにボコボコにされた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い