楽天・松井の48年ぶり記録 「荒れ球」で棚ぼたという皮肉
「そんな記録もあったのか」と、初めて知ったファンも多いんじゃないか。
26日、楽天の松井裕樹(18=写真)がプロ野球記録にその名を刻んだ。それが高卒ルーキーの被本塁打ゼロのイニング数。これまでの最長記録は66年に堀内恒夫氏(現評論家)がマークした70と3分の1イニング。松井はこの日の二回に70と3分の2イニングで48年ぶりに記録を更新。71と3分の1イニングに伸ばすもメヒアに3ランを浴び、記録は途切れた。
松井は全身を躍動させて投げ下ろす独特のフォーム。
「テニスのサーブと同じで、頭の真上、一番力の入る“ゼロポイント”でボールをリリースしている。だから松井は威力のある直球を投げられる」(酒井二軍投手コーチ)
確かに高めの真っすぐで詰まらせ、凡打に打ち取るケースも多い。メヒアにバックスクリーンに運ばれたのはチェンジアップだった。
とはいえ、被本塁打が少ないのは何よりも「荒れ球」だからだろう。規定投球回数に満たない76イニングしか投げていないにもかかわらず、50四球はリーグ3位。これでは打者も的を絞りづらいのは当然だ。
そもそも、前記録保持者の堀内氏はルーキーイヤーに16勝2敗、防御率1・39で最優秀防御率のタイトルに加え、新人王、沢村賞も獲得した。松井は7回5失点で(2勝)7敗目。比較にならないか。