史上最速の大関撃破 逸ノ城「動ける200キロ」の実力

公開日: 更新日:

「最初は当たっていくつもりだったけど、2回目に立ち合いが合わなかった時、考えを変えました。(はたきが)決まらなかったら左上手を取ろうかな、と」(逸ノ城

 相撲評論家の中澤潔氏は「どちらが大関かわかりませんよ」とこう言う。

「199キロの巨体ながら、相手の出方を読んだ上でその通りに動けるというのは凄い。相撲自体も臨機応変でうまいですね。普通、200キロの力士なんて重くてロクに動けないものですが、逸ノ城は身軽。日本人との骨格の違いや育ちなど言い出したらキリがありませんが、とても新入幕には見えませんよ」

 館内をしらけさせたのは、むしろ稀勢の里に責任がある。土俵下ではキョロキョロと落ち着きなく、立ち合いも足が出ずに上体が伸びていた。

「新入幕力士が変化したからといって、大関が負けていい理由にはならない。立ち合いが合わなかったのも、稀勢の里に自信がないから立ち上がれなかっただけです。自分の型がないから、土俵の上でも迷っている。もう待ったは出来ないと、突っ込んでくるところを逸ノ城に読まれた。完全に気後れしていた」(前出の中澤氏)

 笑顔が絶えなかった逸ノ城に対し、稀勢の里は無言で国技館を後にした。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性