史上最速の大関撃破 逸ノ城「動ける200キロ」の実力

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「最初は当たっていくつもりだったけど、2回目に立ち合いが合わなかった時、考えを変えました。(はたきが)決まらなかったら左上手を取ろうかな、と」(逸ノ城

 相撲評論家の中澤潔氏は「どちらが大関かわかりませんよ」とこう言う。

「199キロの巨体ながら、相手の出方を読んだ上でその通りに動けるというのは凄い。相撲自体も臨機応変でうまいですね。普通、200キロの力士なんて重くてロクに動けないものですが、逸ノ城は身軽。日本人との骨格の違いや育ちなど言い出したらキリがありませんが、とても新入幕には見えませんよ」

 館内をしらけさせたのは、むしろ稀勢の里に責任がある。土俵下ではキョロキョロと落ち着きなく、立ち合いも足が出ずに上体が伸びていた。

「新入幕力士が変化したからといって、大関が負けていい理由にはならない。立ち合いが合わなかったのも、稀勢の里に自信がないから立ち上がれなかっただけです。自分の型がないから、土俵の上でも迷っている。もう待ったは出来ないと、突っ込んでくるところを逸ノ城に読まれた。完全に気後れしていた」(前出の中澤氏)

 笑顔が絶えなかった逸ノ城に対し、稀勢の里は無言で国技館を後にした。

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