西武ドラ1高橋光成 父が語る野球との出会い「私のような思いをさせたくなかったんです」

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「光成には私のような思いをさせたくなかったので、野球を始めさせたんです」

 父の義行さん(42)が言う。義行さんは群馬県佐波郡玉村町生まれ。野球中継を見るのは好きだが、自分ではサッパリ。そんな義行さんが野球を始めたのは、母の尋美さん(42)の元に婿入りしたのがきっかけだ。

「(奥さんとは)仕事関係で知り合いまして……。仕事は普通の会社員です。婿入りのきっかけは……彼女に引っ張られて、です(笑い)。私は長男でしたが、実家の反対も何も有無を言わさずに家を出ちゃったもんですから(笑い)」

 義行さんが婿に入った尋美さんの実家は同じ群馬県の沼田市利根町。昔から野球が盛んな地域で、お父さんたちが休日に草野球に興じるのはもちろん、還暦チームまである。他の土地からやってきた義行さんは早く地域に溶け込もうと草野球チームに入ったものの、そこは見る専門の素人。ボールの投げ方、グラブの使い方、バットの振り方……すべてを一から教わらなくてはならない。当然、試合に出られるわけはなく、一度はチームをやめてしまった。

「だから、光成には早くから野球を始めてほしいと、保育園の頃にグローブをプレゼントしたんです。ええ、だいぶハマったというか、入りはいい感じでした(笑い)」

 雨の日も雪の日も、野球に興じる我が子に刺激され、義行さんの野球熱が再燃。再びチームに戻った。

「ポジションは捕手が多いかな。あとは内野をちょこちょこと……。まあ、どこでもやれと言われたらやりますよ」とは義行さんだ。

■自宅の庭には打撃練習場が

 高橋が小学校時代に所属していた利根ジュニアでコーチを務めていた利根少年野球団の清水章治監督が言う。

「光成くんは母方のおじいさんも還暦チームの遊撃手。本当に野球好きが多い土地なんですよね。光成くんも少年野球が休みの日でも、当時の監督に『毎日練習させてください!』と直談判をしていました」

 再び義行さんが言う。「ほー、清水がそう言っていたんですか。いや、清水と私は年齢が同じなので、沼田に来たときから仲良くしてもらっているんですよ。そうそう、ウチの庭には打撃練習場がある。と言っても打者から3メートルくらいの距離にネットを張ったものですが、これを作ってくれたのも清水なんです。彼は土建業をやっていまして、余った防護ネットと単管パイプを組んでくれたんです」

■銛で岩魚を突いた小学時代

 高橋の育った利根町は山間にある自然豊かな町。少子化の影響もあり、高橋が通った利根東小学校は全校生徒がおよそ60人。同級生は7人しかおらず、全員男子だった。近隣にコンビニなどは一切なく、主な遊び場は山や川。高橋も銛を片手に川に飛び込み、岩魚などを突いていた。

「光成くんだけではなく、この辺りの男の子なら珍しくないですよ。でも、流れのある川に潜って石にしがみついて、魚が通るのをじっと待つのは結構大変。さすがに川遊びをする時は我々大人がついていますけどね」(清水監督)

 義行さんは「それでいてヤンチャではなく優しい性格でね」と話す。「光成には2歳上の姉と2歳下の弟がいる。弟も前橋育英の野球部にいるんですが、よくメールや電話でアドバイスを送っています。なにせ、兄が兄ですからね。周囲から『高橋光成の弟ならこれくらい出来て当然だろう。ポジションも投手でしょ?』と比べられてしまう。内野手なんですけどねえ。光成はよく『おまえはおまえらしくやればいいよ』と言っています」

 利根沼田の野球小僧は、その右腕でプロの世界をも切り開けるか。

▽たかはし・こうな 97年2月3日、群馬県沼田市生まれ。小学1年で野球を始め、利根中時代は軟式野球部。前橋育英高では1年夏からベンチ入りし、同秋からエース。2年夏は初出場ながら全国制覇を達成した。188センチ、90キロ。右投げ右打ち。契約金1億円、年俸1300万円。

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