<第36回>2日間で9回 大きな制球ミスはほとんどなかった

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 12年初夏のこと。日本ハムGM(現スカウト顧問)の山田正雄は、関東のある学校のグラウンドにいた。

 花巻東を含めた3校が、2日間にわたって練習試合をする。そこで大谷が2日で9イニングを投げるという情報を得たからだ。1日目に5回投げたら、2日目は4回。連投するわけだし、肩のスタミナをチェックするにはもってこいだと思った。試合終盤の失投が許されない場面で、コントロールミスをしてしまう。どんなに良い球を投げても、そういう投手はプロに入って苦労するケースが多い。山田は大谷が春のセンバツ1回戦(対大阪桐蔭戦)で見せた投球を評価しあぐねていた。

 大谷はしかし、骨端線損傷からの病み上がり。走り込みや投げ込みが不足して、スタミナ切れの可能性がある。中盤から少しずつ、球も浮きだしていた。だとすれば、ミスをしたのもやむを得ない。体調が万全でも同様の失投があるのかどうか、投手としての実力を評価するにはもう少し、追い掛けてみる必要があると感じていた。

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