相撲協会が忘れ去りたい…野球賭博騒動で揺れた名古屋場所「負の歴史」
嫌な記憶とおさらばできるか。
13日に始まる大相撲名古屋場所。昨年まで使用していた愛知県体育館は老朽化が激しく、今年から新設移転。新体育館の「IGアリーナ」は13日開業と、名古屋場所がこけら落としのイベントとなる。
本場所の会場が変更されるのは、現在の両国国技館が開場した1985年以来、40年ぶり。名古屋の地に苦い思い出が多い相撲協会にとっては、まさに心機一転を図る良い機会だろう。
名古屋場所が悪い意味で最も注目されたのが、2010年の野球賭博問題だ。同年5月場所中、暴力団が胴元の野球賭博に力士・親方の複数が関与し、協会は彼らを大量に処分。これを受け、取組を中継するNHKは翌名古屋場所で、史上初となる「中継中止」を決断した。相撲協会も天皇賜杯や内閣総理大臣杯を始めとする外部表彰のすべてを辞退と、まさに踏んだり蹴ったりだった。
さらに場所中には観客の1人が突然倒れ、運ばれた病院で死亡が確認された。事件性はなかったものの、当時、村山理事長代行が館内にいなかったことが判明。行き先を尋ねられても説明を拒否し、それどころか場所中は無断欠勤が多かったことも露呈。改めて当時の協会のいい加減さが浮き彫りになった。