感覚だけを頼りに…タンデムで魅せる鹿沼由里恵の“神業”

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 2人乗り自転車を駆り、ロードやトラックでタイムを競うパラサイクルの「タンデム」。この競技でリオ・パラ五輪金メダルを目指すのが鹿沼由里恵さん(34)だ。先天性の弱視で、視力は0・02ほど。前方がほとんど見えず、僅かに左右から入る光で競技活動に励んでいる。

 タンデムと出会ったのは4年前の2012年5月。当時、クロスカントリー選手としてソチ・パラ五輪での金メダルを目指していたが、転倒により左肩靭帯を損傷。競技続行が困難になった際、カナダのライバル選手が薦めてくれたのがきっかけだった。

「今の自分の状況を相談したら紹介してくれました。タンデムの存在自体は知っていましたが、まさか女子種目があるとは思わなくて。試してみると風を切る感覚が本当に気持ちよかった。すぐに『やれる』と自信が出てきました」

 以後、本格的にパラサイクリングを始めると、14年のロード世界選手権タイムトライアル部門で優勝。一気にタンデム界のトップ選手へとのし上がった。

 そんな鹿沼さんの活躍を支えているのが、13年から競技でペアを組む競輪選手の田中まい選手(26)だ。

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