メダリストをタレント扱いするTV局とアスリートの“下心”

公開日: 更新日:

 リオ五輪が終わって2週間が過ぎても、メダリストたちはバラエティー番組に引っ張りだこだ。日本選手団のジャージーに金、銀、銅のメダルをぶら下げた選手たちは、MCやお笑いタレントに促され「試合中はノーパンだった」「選手村ではコンドームが無料で手に入った」「部屋のトイレのドアは壊れている。トイレの紙は流さず、箱に入れる」「ゲームは無料」などと、つまらない話で盛り上がっている。

 ある深夜の番組では、女子レスリングで4連覇した伊調馨が、小型カメラをつけた女性タレントにローリング(体を回転させる技)をかけたり、かけられたりして、タレントは大喜び。小娘にレスリングの真似ごとをやらせて、伊調から何を引き出せるというのか。テレビ局は五輪が終わるたびにメダリストをおもちゃにすれば視聴率が取れると思っているのだろうが、米国事情に詳しいスポーツライターの吉川英三郎氏が呆れ顔でこういう。

「米国には日本のバラエティーのような番組はない。五輪中継では陸上や水泳競技が盛り上がりますが、だからといってメダリストが五輪直後にテレビに出まくるなんてことはない。超有名選手がトーク番組で司会者と1対1で話すぐらいではないか。欧米では実力のあるスポーツ選手は尊敬の対象ですから、低俗な番組に出演させてお笑いタレントのようなことは絶対にさせません。日本ではプロスポーツ選手や五輪で国民に感動を与えたメダリストを、親しみやすいお友達やタレントのように扱ってしまう。帰国してそんな番組を見たときは奇異に感じましたね」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 2

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー

  1. 6

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  2. 7

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  3. 8

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  4. 9

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  5. 10

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪