疲労の表面化はこれから 失意の侍Jを襲うWBCの“後遺症”

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 その瞬間、ベンチの内川が目を真っ赤に腫らして天を仰げば、中田と菊池はボウ然とグラウンドを見つめて視線が定まらない――。

 21日(日本時間22日)、WBC準決勝で米国に敗退した日本代表ナインのショックは察して余りあるが、この大会で受けたダメージが表面化するのはこれから。疲弊した心身が、今後のシーズンに及ぼす影響は少なくないからだ。

■登録抹消に故障者リスト入り

 中でも普段とは大きさも質も異なるWBC球を扱った投手はダメージが大きい。

 例えば13年の前回大会に出場した前田(現ドジャース)は開幕後、右上腕三頭筋筋膜炎で登録抹消。その後、右脇腹痛を併発し、交流戦まで離脱を繰り返した。岩隈(現マリナーズ)は09年のWBC後、開幕投手を務めるも59球で降板。6月末には登録抹消の憂き目にあった。

 同じく09年の松坂(現ソフトバンク)に至っては股関節痛を隠してWBCに参加、患部をかばって右肩まで痛めて故障者リスト入り。この年以降、一度も2ケタ勝利に届かないまま現在に至っている。

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