千代大龍が持つ伝家の宝刀「明月院スペシャル」

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 立ち合いからの強烈なぶちかましで相手をはじき飛ばし、怒涛の攻め。相手が反撃に移るタイミングを見逃さず、すかさず引き技で仕留める――これぞ千代大龍の勝ちパターン。本名をもじって「明月院スペシャル(MSP)」と呼ばれている。

 もともとはネットなどでそう呼ばれていたに過ぎなかったが、取組後に「MSPです」と話すなど、本人公認だ。

 日体大で学生横綱に輝き、鳴り物入りで九重部屋に入門。部屋関係者は「先代九重親方、つまり千代の富士が惚れ込んだ力士ですが……」と、こう話す。

「性格はヤンチャで、典型的な現代っ子。しかも稽古嫌い。『3年後の粘り腰を生むためにも、四股は重要だ』と指導されても、『3年後は相撲をやめてるかも』と理屈をこね、あの千代の富士を閉口させたくらいです。これには親方も『ここまでハーちゃん(相撲用語でバカの意味)とは……』と半ばサジを投げ、『おまえが面倒を見ろ』と、引退して部屋付親方になっていた千代大海(現九重親方)を教育係にした」

 かつては千代大海もヤンチャで鳴らしただけに、2人は意気投合。千代大龍の「大」の字は、千代大海から一文字もらったものだ。

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