貴ノ岩に被害者感情なし 貴乃花親方「弟子を守る」のウソ

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「要するに、貴乃花親方は今回の事件を、自身の野望のために利用したことになる」と、ある親方が、こう言った。

「来年2月に理事選、3月に理事長選があるが、貴乃花親方はただでさえ劣勢。前回2016年の理事長選では8票中2票しか集められなかった。しかも、その1票を投じた伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)とは、すでにたもとを分かっている。仲間の理事が山響親方(元平幕巌雄)ひとりでは、戦いにすらならないからね。そんな絶望的な状況の中、たまたま今回の事件が起こった。日馬富士をきっかけにモンゴル勢の頂点に君臨する白鵬のスキャンダルを暴くことで、現執行部にダメージを与える。そうやって執行部にダメージを与えて形勢逆転をもくろんだ。世論を味方に付ければ理事長のイスも狙えると踏んだんだよ」

 現在、冬巡業を休場している貴ノ岩だが、その理由はいまだ明らかになっていない。仮に医師の診断書を得られない事情があるとするならば、せめて休場理由くらい報告できるだろう。臆測が飛び交えば飛び交うほど、迷惑を被るのは貴ノ岩なのだ。

 貴乃花親方は口を開けば「大義」「改革」と言い、11月26日の千秋楽パーティーでは「角道の精華」という言葉も使っている。弟子を自身の野望を実現するための駒に使うことは、果たして相撲道にかなっているのか。「大義」や「改革」とやらも、つまるところ私利私欲としか思えないのだ。

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