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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

“錦織引退騒動”のマッチポンプで露呈した問題点 誤報に踊った日本メディアの情けなさ

公開日: 更新日:

 漫才がつまらなくなった。こわもての大統領や総理大臣のせいではなく、SNSだ。炎上嫌さに皮肉もギャグも鈍り、堅苦しくていけない。錦織圭も振り回された。

 ツアー下部大会、サラソタオープンに1カ月ぶりに出場。事前に「引退試合」と報道された──。

「大会ディレクターが錦織の引退試合と言った」と地元紙が報じ、これをすぐ海外メディアが拾ったあたりがネット時代。マネジャーが否定と上書きされた“ニュース”が流れ、ここに日本のスポーツ紙が反応した。

「(仏紙レキップによれば)ポルトガルの著名なテニス記者ホセ・モルガド氏が反応。『ニシコリはサラソタで引退しません。彼の代理人が、私に明言してくれました』とポストし、火消しした」(4月5日=日刊スポーツ)

 伝聞のそのまた伝聞の丸写し。本人の「今週はやめません」という発信で大会は始まったが……中国のウーに3-6、6-3、1-6で敗れ、後味の悪さだけが残った。

 36歳は昨夏から腰痛を抱え、ランキングは400位台後半まで後退。フェデラー、ナダルに続きラオニッチ、ゴファン(ともに35歳)の同世代もラケットを置き確かに引退は秒読みだが、身の処し方は己で決めたいだろう。

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