貴ノ岩に被害者感情なし 貴乃花親方「弟子を守る」のウソ

公開日: 更新日:

 それもこれも、貴ノ岩に被害者感情がないとすれば、すべて腑に落ちる。そもそも、貴ノ岩と日馬富士の関係は良好。事件直後の鳥取巡業で両者が握手をしていたのは、多くの力士や関係者が目撃している。貴ノ岩自身も師匠の方針とは裏腹に、あくまでモンゴルコミュニティーの一員という意識が強いという。警察の聴取に「恨みつらみを言ってない」ということは、それらがすべて事実だという裏付けになる。

 もし、貴ノ岩が協会の聴取に本心を明かせばどうなるか。これまで貴乃花親方は散々、被害者だ、公正な裁きを、と主張し、「弟子を守る」とも言ってきた。だが、フタを開けてみれば拳を振り上げているのは師匠だけ。それどころか、貴ノ岩を師匠とモンゴル勢の間で板ばさみに追い込み、苦しめているのは貴乃花親方自身ということになる。これまでの言動すべてに矛盾が生じるのだ。

 だからこそ、貴乃花親方は弟子の聴取をかたくなに拒否している。貴ノ岩には「同郷の横綱に殴られ、今もなお、心身ともに苦しんでいる被害者」でいてもらわなければ、都合が悪いのだ。


■結局は私利私欲

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が急失速か…参院選「台風の目」のはずが賛同率ガタ落ち、他党も街頭演説で“攻撃”開始

  2. 2

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  3. 3

    中日についてオレが思うことを言っちゃおう。一向に補強もせず、本当に勝ちたいのだろうか

  4. 4

    BoA、五木ひろし、さだまさし、及川光博…「体調不良で公演中止」が相次ぐ背景

  5. 5

    5周年のSnow Man“目黒蓮独走”で一抹の不安…水面下のファン離れ&グループ内格差

  1. 6

    参院選神奈川で猛攻の参政党候補に疑惑を直撃! 警視庁時代に「横領発覚→依願退職→退職金で弁済」か

  2. 7

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  3. 8

    教え子の今岡真訪が蹴った“倍額提示”…「お金じゃありません」と阪神入りを選んだ

  4. 9

    兵庫県警まで動員し当局が警戒…NHK党・立花孝志党首の“あり得ない”参院選の街宣ぶり

  5. 10

    巨人無残な50億円大補強で“天国から地獄”の阿部監督…負けにお決まり「しょうがない」にファン我慢限界