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井上顕滋非認知能力開発専門家

非認知能力開発の専門家。日本初の非認知能力開発専門塾「Five Keys」設立者。最先端の心理学と脳科学を融合させ、人の能力を最大限に引き出す独自の能力開発メソッドを確立した。3000社以上の企業幹部指導や、オリンピック日本代表選手のメンタルトレーニングを担い、圧倒的な実績を上げる。未来の成功者を育てるため教育活動に尽力し、これまで指導した保護者は6万人を超える。著書に『12歳までに伸ばしておくべき 5つの非認知能力』などがある。

「非認知能力」って何? テストの点数より、子どもの一生を左右する「スコア化できない力」の正体とは

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なぜ今、「非認知能力」が注目されているのか?

 「最近、うちの子が何を考えているのか掴めない」「今の育て方のままで、この子の将来は大丈夫なのだろうか」――。

 社会の最前線で変化の激しさを肌で感じている父親ほど、わが子の将来に対する焦燥感は深く、切実なものかもしれません。こうした不透明な時代において、教育やビジネスの分野で急速に注目を集めているのが「非認知能力」という概念です。

 非認知能力とは、協調性、リーダーシップ、忍耐力、自己肯定感、あるいは他者への思いやりといった、数値では測りきれない性格的特性や行動特性を指します。

 非認知能力は、人が社会の中で他者と関わり、自らの認知能力を最大限に発揮していくための土台となるものです。いわば、コンピュータにおける「アプリケーション(認知能力)」を動かすための「OS(基本ソフト)」のような役割を果たしているのです。OSが脆弱であれば、どんなに高度なソフトをインストールしても十分に機能しません。

 非認知能力が世界的に注目される決定的な契機となったのは、2006年にシカゴ大学の経済学者ジェームズ・ヘックマン教授が発表した論文です。ヘックマン教授は、幼児教育における非認知能力の向上が、将来の学力、年収、社会的な成功、さらには成人後の犯罪率や幸福度にまで長期的に寄与することを科学的根拠に基づいて証明しました。これにより、世界中で「成績表の数字だけでは測れない力を育てるべきだ」という教育の大転換が起こったのです。

 しかし、早稲田大学の小塩真司教授が指摘しているように、多種多様な心理的特徴を「非認知能力」という一つの言葉で一括りにし、あたかも単一の能力かのように扱うことには問題があります。

■定義が複数ある「非認知能力」の中で、本当に大切な5つのポイント

 では、定義が広範にわたる非認知能力の中で、私たちは具体的に何を指針として育めばよいのでしょうか。私はこれまで、社会の第一線で素晴らしい成果を出し続ける成功者やトップアスリートと多く接してきました。その経験から確信に至ったのが、子どもの未来のために意図的に育むべき非認知能力は、以下の五つの要素に集約されるということです。

 まず1つ目は「考える力」です。これは認知能力としての思考力と、好奇心や粘り強さ、自制心などの「考える力を支える力」を合わせたものを指します。

 2つ目は「ビリーフ・セルフイメージ」です。ビリーフ(正しいと信じていること)は世の中や未来をポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかに大きな影響を及ぼします。また「自分には価値がある」「自分ならできる」というセルフイメージ(自己認識)は、根源的な自信となり、あらゆる行動の原動力となります。

 3つ目は「目標達成能力」です。目標設定力、計画力、実行力を含む、自ら掲げた目標に対し、困難に直面しても諦めずに最後までやり抜く力です。

 4つ目は「コミュニケーション能力」です。自分の考えを正確に伝え、同時に他者の意図を汲み取る、対話を通じた相互理解の力です。また、様々な意見をまとめ、合意を形成する能力も含まれます。

 5つ目は「愛される人格」です。誠実さや謙虚さを備え、周囲から「この人と一緒にいたい」「この人を応援したい」と思われるような人間的な魅力です。

 なぜ、この5つなのでしょうか。社会で真に活躍するリーダーや成功者たちは、決してIQの高さや特定のスキルだけで生き残っているわけではありません。揺るぎない「セルフイメージ」を核として持ち、「愛される人格」と「コミュニケーション能力」によって周囲との信頼関係を築きます。その上で、「考える力」で課題を突破し、「目標達成能力」によって確実に成果を手にするのです。これら五つの要素が密接にリンクし、相互作用することで、時代の荒波に飲み込まれることなく、自らの意志で道を切りひらくことができるのです。

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