2世力士・藤ノ川成剛が受け継ぐ伝統とDNA…大学のスカウトを蹴った裏に父の助言
藤ノ川成剛(20歳・伊勢の海部屋・前頭14枚目)
「藤ノ川」は伊勢ノ海部屋に代々伝わるしこ名で、初代の藤ノ川忠之助から数えて6代目。しかも、父は元平幕大碇(現甲山親方)という2世力士でもある。
「当初は若碇を名乗り、将来的に父の名を継ぐと思われていたが、闘病中だった先代藤ノ川さんが『自分が死ぬ前に誰かに継がせたい』と切望。その願いを受け入れ、先場所で新入幕を確実なものとしてから改名した。先代が64歳の若さで亡くなったのはその直後の先月です」(角界OB)
5歳から相撲を始め、当初は体が小さく、決して強くはなかったものの、中学、高校で成長を続けた。
「複数の大学からスカウトがあり、本人は進学も考えていた。そんな藤ノ川にアドバイスをしたのが、伊勢ノ海部屋で部屋付きを務めている父の甲山親方です。『今なら(同部屋の)錦木も現役バリバリだし、生きのいい力士も多い。プロ入りするなら今の方がいい』と言われ、高卒での入門を決断した」(若手親方)
体は小さいが、しぶとい相撲が持ち味で足技を繰り出すこともある。幕下時代は5場所連続して4勝3敗で勝ち越すなど、気持ちの強さも持ち味だ。