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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

イチローに大統領自由勲章が浮上する可能性と米政府の思惑

公開日: 更新日:

 イチローが2001年、04年の2回にわたって授賞が検討された国民栄誉賞を、3度目も辞退した。

 代理人を通じて内々にイチローの意向を打診したところ「人生の幕を下ろした時にいただけるよう励みます」と断られたことで、イチローが生前に国民栄誉賞を受賞する機会は実質的になくなったと言えるだろう。

 周知の通り、イチローが国民栄誉賞を辞退したことは日本国内で大きく報道された。米国でもマリナーズの地元の「シアトル・タイムズ」や有力紙「ワシントン・ポスト」などが取り上げており、イチローが名誉の賞を辞退したという出来事が話題性を持っていることが分かる。

 ところで、米国において、文民に対する最高の名誉は合衆国大統領が授与する大統領自由勲章だ。

 大統領自由勲章は米国の国益や安全、世界平和の推進、文化活動などにおいて特に称賛に値する貢献を行った個人に与えられる。これまでジョン・F・ケネディやヨハネ・パウロ2世、トム・ハンクスらの政治家、宗教家、俳優など、生前か死後か、米国民か外国人かを問わず、世界的に名を知られた人々が幅広く受章している。スポーツ選手も授章の対象で、大リーグからもベーブ・ルースやテッド・ウィリアムズ、ジャッキー・ロビンソンら、球史に名を残す大選手たちが栄誉に浴している。

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