著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

0-4惨敗にも動じず 久保建英がチリ戦後に垣間見せた自信

公開日: 更新日:

6月17日 月曜日

「南米の地で南米の国に勝利がないというデータはあるかもしれないが、日本代表はロシアW杯でコロンビアに勝って新たな歴史を作った。今回のコパ・アメリカでも過去になかった勝利というデータをつかみ取れるように頑張りたい」

 日本代表の森保一監督は南米王者・チリとの初戦(サンパウロ)に並々ならぬ意欲を示していた。が、17日の大一番は序盤こそ善戦したものの、0-4の惨敗。強豪との実力差を突き付けられる結果となった。

 ◇  ◇  ◇

 2015・2016年大会2連覇中のチリへの期待値は現地でも非常に高い。母国からのサポーターも大挙して現地を訪れていた。モルンビー・スタジアムに集まった2万3253人の観衆のうち、8割方がチリの応援。「アレクシス・サンチェス(マンU)とバルガス(ティグレス)のゴールで2-0で勝つよ」「ビダル(バルセロナ)もいるから3-0だ」といった自信満々の声が試合前の会場付近のあちこちから聞こえてきて、日本は間違いなく劣勢だった。

 下馬評を覆すべく、指揮官が打って出た秘策は4バックの採用。東京五輪世代はチーム立ち上げ時から3バックを軸にしてきたが、「今回呼んだメンバーを見て4枚で行こうと決めた」と打ち明けた。3トップのチリに対して数的優位になれる4バックが有効という考えもあったのだろう。

 加えて快足FW前田大然(松本山雅)を慣れない右MFに置くというサプライズも披露。森保監督はリスクを冒して勝ち点を狙いに行った。

 序盤こそ作戦的中かと思われたが、時間の経過とともに押し込まれ、守備陣に綻びが生じ始める。前半終了間際のCKからの1失点が重くのしかかり、後半9分にはバルガスに2点目を献上。これが致命傷になった。前述のファンの予想通り、バルガスとサンチェスの両FWに点を取られて完敗。「5バックにしていればもう少し違った守り方ができたと思う」と守備リーダーの冨安健洋(シントトロイデン)も悔やんだが、森保監督の大胆采配が裏目に出た格好になってしまった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  2. 2

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 3

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  4. 4

    趣里の結婚で揺れる水谷ファミリーと「希代のワル」と対峙した梅宮ファミリー…当時と現在の決定的な違い

  5. 5

    中国企業が発表した「ナトリウムイオン電池」の威力…リチウムイオン電池に代わる新たな選択肢に

  1. 6

    永野芽郁「かくかくしかじか」"強行突破"で慌しい動き…フジCM中止も《東村アキコ役は適役》との声が

  2. 7

    永野芽郁と田中圭は文春砲第2弾も“全否定”で降参せず…後を絶たない「LINE流出」は身内から?

  3. 8

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  4. 9

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  5. 10

    頭が痛いのは水谷豊だけじゃない…三山凌輝スキャンダルで間宮祥太朗「イグナイト」“爆死”へ加速危機