伝説のコーチが初激白<下>阿部二軍監督には良き参謀が必要

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 37年間にわたって広島巨人で打撃コーチなどを歴任。巨人では松井、高橋由、阿部、広島でも前田智や金本ら数多くの名選手を超一流に押し上げてきた「名伯楽」、内田順三氏(72)がコーチ哲学などを語った。

 ◇  ◇  ◇

 長い指導者人生で、気をつけていたことがある。

 阿部慎之助二軍監督(40)も意識しなければならないが、育成が主な狙いである二軍では、どの球団でも選手にA~Cといったランクをつけている。これはドラフトの順位や球団の期待値だが、中には将来有望な若手に付きっきりになるコーチもいる。それでは失格だ。

 どんな選手でも見捨てずに接すること。もちろん、全員が松井や(高橋)由伸や阿部になれるわけではない。そこで、それぞれの選手の生かし方を考える。一軍の主力、レギュラーになれなくても、代打、守備固め、代走で生きる道はないだろうか。一芸に秀でた選手をつくるのも、指導者の大切な仕事である。

 よく「コミュニケーション」として選手と食事をしたり、酒を飲む首脳陣がいるが、私はグラウンド外で選手と付き合わないように努めた。若い選手に恩を売っているようになるのがイヤだった。選手を弟子のような関係にして「言うことを聞け」なんてコーチングとは言えない。基本的に指導はグラウンドでユニホームを着ている時のみ。これは長い間、心掛けていたことだ。

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