著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

西武復帰の松坂は印象的かつ木っ端みじんにはじけ散って

公開日: 更新日:

 松坂大輔西武復帰が決まった。実に14年ぶりとのこと。もうそんなに経ったのか……と感慨深い気持ちになった。

 横浜高校から西武に入団し、いきなり目覚ましい活躍をした平成の怪物の記憶は、今も鮮明に残っている。西武の絶対的エースとして君臨した8年間はもちろん、その後MLBのレッドソックスに移籍し、初年度は15勝、2年目は18勝を挙げるなど、つまり計10年間の松坂は本当にセンセーショナルだった。

 しかし、その後の10年間は故障の連続で苦しみ続けた。近年は衰えも見受けられる。もう39歳なのだから衰えは当然だが、活躍したのが最初の10年間で、活躍できなくなってからも10年経ったと思うと、松坂の活躍期間は案外短かったようにも感じられる。

 世間では、そんな松坂の西武復帰について「引退への花道」「客寄せパンダ」などと見る声が多いようだ。正直、私もそう思う。松坂は最後の花道を飾るために、いわば美しく引退するために、栄光の記憶が色濃く残る古巣に帰るのだろう。

 もっとも、西武の渡辺久信GMは会見中に「最後の花道というイメージはありません」と語り、あくまで戦力としてオファーしたことを強調していたが、そりゃあ公式にはそう言うしかないだろうし、それもまた本音にはちがいない。そもそも戦力としての復活をまったく期待していないと言うほうが嘘になる。期待はするけれど、過度な計算はしない。結果的に引退となったとしても、松坂本人はもちろん、育ての親の西武としても丸くおさまる。イチローの引退もそうだったが、今後はこういった古巣回帰の引き際が球界のトレンドになるかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情