橋本五輪相あえてIOC理事会開催中に“開催延期”発言の真意

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染拡大で開催が危ぶまれているからだろう。橋本聖子五輪相は3日、参院予算委員会で東京五輪の開催延期に言及した。

 国際オリンピック委員会(IOC)と東京都との契約には、「大会は2020年内に開催されるべき」と示されていると説明。「20年中であれば延期できると取れる」と語った。こんな話が出たのは初めてだ。

 IOCは3日からローザンヌ(スイス)で理事会を行っていた。海外の主要メディアは橋本発言を重くみて一斉に報じた。するとIOCのバッハ会長は現地3日、「東京五輪は計画通り7月24日に開幕する。成功に自信を持っている」と、理事会の途中に明言。IOCの報道官も「現在の状況から判断して変更する理由はない。予定通り開催する」と話し、両者とも橋本五輪相の解釈を否定するかのような会見だった。

 4日は新型ウイルスの国内感染者が1000人を超えた。IOCのコーツ調整委員長はすでに、五輪を予定通り開催するかの判断は5月という認識を示している。

「だからです。五輪中継を担う米NBCは莫大な放映権を払っていると同時に、全米で人気ナンバーワンのNFL(全米フットボールリーグ=9月第1週開幕)の放映権も持っている。世界的なスポーツイベントが少ないから8月に五輪が開催されているわけです。そんなことは、五輪の申し子と呼ばれる橋本大臣は百も承知です。IOCの理事会開催中に『開催延期』のアドバルーンをあげて可能性を探り、世界やIOCの反応を見たかったのではないか」(ある競技団体の幹部)

 バッハ会長の口ぶりでは開催延期の可能性はゼロに等しい。短期間での感染者激減を祈るしかない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状