名将・三原監督に「今日は全打席バントだ」と指示された
私がヤクルト2年目を迎えた1971年から指揮を執った「名将」三原脩監督(享年72)は「超二流選手になりなさい」と私に言った。要するにこういうことだ。
「『超一流』は王(貞治)、長嶋(茂雄)だ。クリーンアップを打つ選手が一流。おまえだったら超二流になれる。ここ一番は超一流と同じ仕事をするんだ」
■「超二流になれ」
三原さんが大洋の監督時代の60年、近藤昭仁さん(元横浜監督など)が日本シリーズでMVPを獲得する活躍を見せたことを例に挙げ、「これが超二流だ」と話していた。昭さんの現役通算打率は2割5分を切っている(・243)。打率だけなら“二流”選手といっていいかもしれない。それでも、ここ一番では「一流」の仕事をした。私もそういう役割が求められた。さらに三原監督はこうも言った。