追悼・元PL学園監督山本泰さん 連載で語った舞台裏の数々

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 2009年、花巻東高で行った菊池との30分間の面談では、「メジャーはどんな練習をするんですか?」と純粋無垢に質問する菊池に対して、米国に行きたいという意欲、気持ちを高めてもらいたいとの思いから、あえて「日本かアメリカか、中途半端な気持ちでいるなら、日本でやった方がいいよ。アメリカに行くのなら、憧れだけではやっていけない。本気で行きたいのであれば向こうで家を買ってお嫁さんをもらって両親を呼んで、骨をうずめるくらいの気持ちがないといけないよ」と、伝えたという。

 マリナーズを選んでほしいという思いは当然あっても、山本さんは事前の調査を通じて、菊池から何が何でも米球界へ挑戦したいという確証が得られなかった。実際に「メジャーへの気持ちは五分五分」という菊池の発言があったし、菊池ほど人気と実力を兼ね備えた高校生が直接メジャー挑戦したケースはない。しかも、高校から米球界入りすれば、ルーキーリーグからのスタートとなり、過酷な環境の中で何百人という選手との競争を勝ち抜かなければいけない。

 30分という限られた面談の中で「キレイ事」ばかりを並べるのではなく、あえて「説教」をした。悩む菊池の背中を押してやりたいという山本さんの「親心」が垣間見えた。

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