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西村徳文野球解説者

1960年1月9日、宮崎県生まれ。右投げ両打ち。福島高(宮崎)、国鉄鹿児島鉄道管理局を経て、81年ドラフト5位でロッテ入団。プロ通算16年で首位打者1回、盗塁王4回。二塁と外野でそれぞれベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。97年現役引退後、ロッテでヘッドコーチなどを歴任し2010年監督就任。1年目にリーグ3位から日本一を達成した。16年からオリックスでヘッドコーチ、19年から監督を務め、昨季限りで退団。

大乱闘の試合後に、傷だらけのトレーバーとまさかの遭遇

公開日: 更新日:

 金田正一さんは選手の健康管理に人一倍、目を光らせる監督だった。ランニングの量を増やし、散歩を課した。禁煙推進もそのひとつだった。特に投手には、「体に悪いものなんか吸うな」と口酸っぱく言っていた。

 当時は私も含め、今よりも選手の喫煙率は高かった。そんな監督の方針の下、コーチは禁煙を義務付けられていた。そんな中、遠征先であるコーチが「たばこを1本くれ」と声をかけてきた。

「選手の前で吸っちゃあマズいでしょ」

「そんな固いこと言うなよ」

 仕方なく1本差し出すと、そのコーチは陰に隠れてプカプカと煙を吐き出していた。

■禁煙推進の余波も

 その日の夜。チームメートと宿舎で食事をしながらビールを飲んでいた。同じテーブルにいた後輩選手が先輩のグラスが空になりそうなのを見て、瓶からビールをついだ。

 その瞬間、球場でたばこをおねだりしたコーチが私たちのところへつかつかと歩み寄ってきて、「コラ! 監督が酌をするなと言ってるだろ!」と、大声で怒鳴り上げた。

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