阪神二軍サイン盗み騒動でも“口角砲”止まり…プロ野球乱闘激減に一抹の寂しさ

公開日: 更新日:

 阪神は二軍でもサイン盗みを巡ってテンヤワンヤだ。

 10日に行われた中日対阪神戦。七回表の阪神の攻撃が終わった直後、中日の工藤コーチが阪神の走者の動きについて審判に指摘。これに阪神の中村コーチが激しい口調で応酬したことで阪神・平田、中日・仁村の両二軍監督がベンチを飛び出し、口角泡を飛ばし合った。

「おまえらがやってるんだろうが!」(仁村二軍監督)

「絶対やってないよ!」(平田二軍監督)

 最後には阪神側から「ええ加減にせえよコラ! 許さんぞ!」などと中日側を挑発するシーンも見られた。古株の球界OBが言う。

「阪神は一軍のヤクルト戦でも、二走の近本が伝達行為を疑われ、矢野監督が『やるわけないやろ、ボケ!』と暴言を吐いたことが問題になったばかり。阪神は各球団から徹底マークされている。平田と仁村は星野仙一さんの薫陶を受けた球界屈指の武闘派。昔なら掴み合いに発展し、コーチ、選手を交えた大乱闘になっていただろう」

 一軍の将たる矢野監督が21歳の村上を怒鳴りつける姿はあまりに大人げなかったが、それにしても最近のプロ野球はおとなしくなったものだ。乱闘は激減し、品位すら求められる。

ルール違反は言語道断だが、仲良しグループじゃつまらない

 一昔前のプロ野球は、殴る蹴るの大乱闘が頻繁にあった。ロッテの金田監督が近鉄の助っ人・トレーバーの顔面を蹴飛ばしたこともある。最近では2017年の阪神対ヤクルト戦で藤浪が畠山に頭部死球を与え、矢野コーチ(当時)とバレンティンが大立ち回りを演じたのが目立つくらいだ。

 前出のOBは「乱闘の原因になる死球、クロスプレーの判定はそれぞれ『危険球退場』『コリジョンルール』によって抑止されている面もある。審判と揉め事になるアウト・セーフの判定も、『リクエスト制度』ができてからはアッサリと引き下がらざるを得なくなった」と指摘するが、野球ファンの吉川潮氏(作家)はこう言う。

「ヤクルトの村上が近本の行為を堂々と審判に指摘して『男を上げた』と言われた。今のプロ野球は村上のようなツラ構えの選手が少なくなった。コロナ禍以前からいわゆる『草食系』が増えて、男くささが薄れている気がする。ベース上で笑顔で会話したり、結果が出ない時、試合に負けた時でさえニヤニヤしている選手すらいる。内角へのブラッシュボールで投手と打者が睨み合うシーンも少ない。ちょっとでも活躍すれば、何千万、何億という高い年俸をもらえる。金持ちケンカせずみたいな雰囲気すら感じる。日本代表が常態化し、選手は所属球団をまたいで自主トレをやる。プロ野球全体が仲良しグループみたいになっている。もっと戦う姿勢を前面に出し、ガンガンやり合ってほしいですね」

 もっともな意見である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状