智弁和歌山4番はドラフト指名の当落線上…高校生はプロでやっていけるかをより慎重に見極める

公開日: 更新日:

 オレらは担当した選手の親代わりみたいなもんで、彼らの人生を預かるわけだ。プロ入りしてからも食事に誘って悩みを聞いたり、大活躍したら連絡を入れたりと、その後もずっと関わっていく。そして、担当した選手のクビが決まると、球団から真っ先にオレたちに連絡が来る。この瞬間が何よりつらいし、選手に対して申し訳ない気持ちになるね。

 特に高卒選手がクビになると、ほとんど野球しか知らないまま社会に放り出されるわけだろ。セカンドキャリアに難儀するケースが多いわけだ。そうならないよう、選手が望むなら、担当スカウトはコネをフルに使って次の就職先の口利きをしたりもする。

 けれども、オレはもう若くないから、担当した選手の面倒をいつまで見きれるか分からない。選手自身のためにも、高校生はプロの世界でやっていけそうかどうか、より慎重に見極めるようになったのさ。

 それだけに、高卒選手を育成ドラフトで指名するのは個人的に反対だ。伸びしろがあるかどうか、とりあえず取って様子をみるってのはいかがなものか。ソフトバンク甲斐拓也千賀滉大のように育成からのし上がったスターの陰で、ひっそりと散った選手の方が圧倒的に多いのだから。(おわり)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒