大谷翔平46号・100打点で有終の美! 本塁打王&ルース超えならずも「MVP当確」の根拠

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 リアル二刀流の実質1年目が終わった。

 エンゼルス・大谷翔平(27)が日本時間4日、マリナーズとの今季最終戦に「1番・DH」で出場。初回に46号先頭打者本塁打を放って3打数1安打1打点、2四球。11試合ぶりの一発で100打点の大台に乗せた。

 ライバルと3本差で最終戦に臨んだが、ロイヤルズ・ぺレス捕手(48本塁打)、ブルージェイズ・ゲレロ内野手(48本塁打)に及ばず、自身初のタイトル獲得はならなかった。

 今季の大谷は投打の二刀流として起用され、投げては23試合、計130回3分の1で9勝2敗、防御率3.18。打っては155試合で537打数138安打46本塁打、100打点、26盗塁だった。

 登板が予想されたこの日のマウンドを早々と回避したため、1918年のベーブ・ルース(当時レッドソックス)以来103年ぶりの「2ケタ勝利と2ケタ本塁打」の達成はならなかった。

 ルース以来の偉業と日本人初のホームランキングのタイトルを逃したとはいえ、今季の大谷の働きぶりには多くの米メディアが早くからMVPの最有力候補に挙げていた。大谷以外のMVP候補はぺレス、ゲレロの他、後半戦23発を放って本塁打王争いに加わったブルージェイズ・セミエン内野手(45本塁打)の4人。9月15日付のスポーツ専門局ESPN(電子版)は、全米野球記者協会(BBWAA)のMVP投票権のある記者へのアンケートをもとに「他の候補を抑えてオオタニが大きくリードしていることに変わりはない」と、早々に「当確」を打ち出した。

全米に強烈な印象を与えた

 ぺレスは72年のジョニー・ベンチ(レッズ)以来49年ぶりの捕手による打撃2冠(本塁打、打点)、ゲレロは終盤まで3冠達成に挑んだ。ハイレベルの争いを制して大谷がMVPを受賞する根拠は何か。

「シーズン通じリアル二刀流をこなしたのは全米に強烈な印象を与えました」とスポーツライターの友成那智氏が続ける。

■「ルースの記録を圧倒的に上回っている」

「メジャーではルース、ニグロ(黒人)リーグも含めれば46年のレオン・デイを最後に、誰も二刀流に挑戦すらしてこなかった。ツーウエープレーヤーに挑むだけでも容易なことではないですが、大谷は投打とも好結果を残した。それはルースの成績と比べても明らかで、当時とは試合数やレベルが異なるとはいえ、18年のルースは13勝7敗、11本塁打で、大谷はルースをはるかにしのいでいる。『2ケタ勝利と2ケタ本塁打』には届きませんでしたが、米国内では『ルースの記録を圧倒的に上回っている』と評価されています。満票での選出とはいかなくても、8割近い得票が予想されています」

 MVPはチームへの貢献度の高い選手が評価される傾向にある。必然的にポストシーズン(PS)に進出したチームの選手が有利とされるものの、大谷の同僚であるマイク・トラウトがチーム成績が低迷しても選出された過去がある。

「大谷のWAR(野手は打撃、守備、走塁、投手は投球を総合的に評価した選手の貢献度を示す指標)は投手4.1、打者4.8と、いずれも一流選手と位置付けられる4.0を超えています。投打合わせて8.9となり、ぺレス(5.4)、ゲレロ(6.5)、セミエン(7.2)と比べてもダントツ。今季のエ軍は故障者が続出したこともあってPS進出はなりませんでしたが、大谷は投打にわたってチームに貢献しているのは明らかです。投手をこなしながら、メジャー史上初めて『45本塁打、8三塁打、25盗塁』を達成した。今では米国プロスポーツを代表するアスリートのひとりとして米誌『スポーツ・イラストレーテッド』が選ぶ『年間最優秀スポーツ選手』の最有力候補に挙げられていることからも大谷の印象度の高さがわかります」(友成氏)

 MVPは毎年、11月10日すぎに発表される。ア・リーグの最高殊勲選手には「ショーヘイ オオタニ」の名前がコールされそうだ。

▽大谷翔平のコメント 「より多く試合に出られたというのは単純に楽しかったですし、それだけ試合に貢献できる頻度が高いということは選手としてもやりがいがあると思うので、すごい楽しい1年だった」 

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