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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神“育成”助っ人マルテの年俸は3倍増! 圧倒的成績を求められそうだが…

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 実際、マルテは日本で育成していくタイプの外国人選手だと球団から認識されているのかもしれない。そもそも来日1年目の2019年は105試合の出場でわずか12本塁打と、普通の外国人選手ならあっさり解雇されそうな成績だったが、まだ28歳と若かったためか、なんとか2年目も単年契約を勝ち取った。

 しかし、その2年目に至っては球団が一塁手としてジャスティン・ボーアというMLB通算92本塁打を誇る外国人大砲を獲得したため、マルテの出番はめっきり減り、わずか29試合の出場で4本塁打と、さらに成績が下降。普通、外国人選手が在籍2年間でこの程度の成績に終わった場合、3年目も残留するのは至難の業だが、どういうわけかマルテはまたも単年契約を勝ち取り、先述した昨年の過去最高成績につながったわけだ。

 そう考えると、マルテは来日3年目となる昨年に、ようやく大砲として開花する兆しを見せたということか。だったら、今年のマルテのさらなる成長に期待したくなる気持ちもわかる。マルテは大山悠輔佐藤輝明らと同じく、未完の大砲という扱いなのだろう。

 しかし、それなら昨年は推定6830万円と格安だった年俸が、今年は一気に推定1億9300万円まで跳ね上がったことが気になってしまう。先述した昨年の成績で、年俸が約3倍増というのは果たして適正なのか、それとも阪神側が交渉負けしたということか。

 いずれにせよ、今年のマルテは昨年までとちがい、年俸上は大物外国人大砲と同じ扱いだ。圧倒的な成績を残すことが求められそうだが、その期待値が吉と出るか凶と出るか、注目したい。

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