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阿波野秀幸元プロ野球選手

1964年7月28日、神奈川県生まれ。桜丘高、亜大を経て、86年のドラフト1位で巨人、大洋(現DeNA)を含めた3球団競合の末、近鉄に入団。87年、新人王、89年は19勝(8敗)、183奪三振で最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得。その後、巨人、横浜でプレー、通算75勝68敗5セーブ。引退後は巨人、横浜、住友金属鹿島、中日などでコーチを務めた。

八回1死一、二塁のチャンスで村上隆行が値千金の2点二塁打を放った背景

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 寮では隣の部屋だった。眠りが深いのか、朝が苦手なタイプ。起きられないという自覚があるから目覚まし時計を何個もセットして、朝になるとそれが一斉にけたたましい音を立てて鳴り出す。なにしろ藤井寺にあった寮は隣の部屋との仕切りが薄い壁一枚。うるさくてかなわない。早く止めてくれと思うのだが、一向にその気配がない。たまらず部屋の前に行ってドアノブをガチャガチャ、戸をドンドンとたたいて、ようやく「何ですか?」と寝ぼけ眼で起きてくる。「とにかく扉の鍵をかけないでくれ」と。目覚まし時計は私が部屋に入って止めるしかないと思った。

■気付いたら朝方

 ナゴヤ球場で試合をしたときのこと。村上は外食して宿舎に戻ってきたが、その日の打撃に納得がいかずに素振りを始め、気付くと朝方になっていたという。よし、いい感じになったとシャワーを浴びて横になったら、気持ち良くなって寝てしまった。デーゲームなのに練習に遅刻。コーチには「昨日もあんなだったのに遅刻とは何事だ!」と怒られて大阪に帰されたこともある。

 多分に若かったせいだろうが、思い込んだら一直線。集中したときはとてつもない力を発揮する村上の放った一打は、左中間フェンス直撃の2点二塁打。値千金の一打で近鉄は八回、同点に追いついた。

 村上とは昨年までの3年間、お互い中日のコーチとして同じ名古屋のホテルに泊まったし、よく話もした。さまざまな経験を積んで、すっかり頼れる指導者に成長。

 今年からソフトバンクの打撃コーチとして、強力打線をさらに磨いてくれると思っている。 (つづく)

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