著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

女性暴行疑惑のサイ・ヤング賞右腕に2年間の出場停止処分を科した思惑

公開日: 更新日:

 大リーグが米国のスポーツ界の発展に寄与した役割は大きい。

 1947年4月15日にジャッキー・ロビンソンがブルックリン・ドジャースに昇格して公式戦に出場したことで「人種の壁」を乗り越えた。さらに1955年までに当時の全16球団に「黒人選手」が在籍したことで、アフリカ系アメリカ人選手は不可欠な存在となった。

 10年間で87勝を挙げたジム・アボットは先天性右手欠損の選手として知られる。

 しかし、障害がありながら大リーグで活躍した選手はアボットだけではなく、大リーグ初期のヒュー・デーリーやウィリアム・ホイから20世紀半ばのピート・グレイ、バート・シェパードらがこれまでに公式戦への出場を果たしている。

 こうした事実は大リーグが多様な選手を起用することに積極的であり、現在世界的に重要な概念となっている「多様化」という価値を先取りしていたことが分かる。

 しかし、1980年代後半から、大リーグの閉鎖性、後進性が指摘されるようになる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン