友成那智
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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

「期限前トレード」はダイヤの原石を出してポンコツをつかまされるケースが多い

公開日: 更新日:

 大リーグでは夏のトレード期限を前にポストシーズン進出を狙う上位球団が、下位球団から主力選手を獲得し、その見返りに若手やマイナーの有望株を放出する。このトレードはGM間の電話による即断即決の直接交渉で決まるため、判断ミスが生じやすい。

 とくに大きなミスを犯しがちなのが上位球団のGMだ。目先の戦力アップに頭がいっぱいで、放出する有望株の将来性を吟味しないまま出してしまうからだ。ダイヤの原石を放出してしまった代表例は次の4つだ。

▶オリオールズは2013年、ローテ強化を狙ってカブスから先発のフェルドマンを獲得。見返りに防御率7点台で先発失格の烙印を押されたアリエタを放出した。フェルドマンの不調もあって、ポストシーズン進出を逃すが、カブスに移ったアリエタはカッターを多投して大化け。2年後には22勝してサイ・ヤング賞に輝き、カブスの108年ぶりのワールドシリーズ制覇に貢献した。

▶1997年ア・リーグ西地区首位を走るマリナーズは弱点だった抑えを強化するため、マイナー投手の有望株デレク・ロウと捕手の有望株ジェイソン・バリテックを放出し、レッドソックスからクローザーのスローカムを手に入れた。

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