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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

スポーツは「不況に強い」といっても…大リーグも凝視するFRBの利上げの行方

公開日: 更新日:

 スポーツは不況に強いとされる。

 景気の動向にかかわらず、試合が行われている限り人々は会場に行くし、場内で食事や飲み物を買い、ユニホームの複製やタオルなどのさまざまな品物を購入するという現実があるからだ。あるいは、放映権や広告収入など、観客以外からの収入源も「景気に左右されないのがスポーツ」という考えを正当化してきた。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、大リーグの2020年のレギュラーシーズンは試合数が削減され、無観客で実施された。翌21年も「コロナ対策」として7月まで球場の入場者数が制限された。

 その結果、コロナ禍以前の19年に球界全体の営業利益が税引き前で15億ドルであったものの、20年と21年2シーズンの合計で11億4000万ドルの赤字となっている。

 興行の基礎である試合数が削減されたり、重要な収入源である観客数が減ったのだから、コロナ禍の前後で球界全体の収入が大幅に減少したのは当然と言えるだろう。だが、22年3月に米国の経済専門誌「フォーブス」が発表した大リーグ30球団の価値の評価は、不況に強いスポーツという特徴を示すかのようであった。

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