大豊昌央
著者のコラム一覧
大豊昌央元大相撲力士

本名は鈴木栄二。1955年3月29日、新潟県北魚沼郡堀之内町(現魚沼市)出身。73年に時津風部屋に入門し、同年11月場所で初土俵。81年1月場所に新十両に昇進し、82年5月場所で新入幕。83年1月場所は新三役として小結を務める。87年1月場所後に引退し、時津風部屋の部屋付き親方となり、2002年に独立。20年に蒼国来に部屋を継承させ、相撲協会を退職。主な弟子は蒼国来、若隆景、若元春ら。最高位は小結。

蒼国来の十両昇進で電話が殺到! 爆発寸前のガラケーを買い替える羽目になった

公開日: 更新日:

 レスリングのように肩口からぶつかっていく立ち合いも改善され、徐々に番付を上げていった蒼国来。入門7年目の2009年11月場所は幕下筆頭で5勝2敗の好成績を残し、晴れて十両に昇進することが決まりました。

 あれは私が福岡の宿舎から、本場所が行われている福岡国際センターにタクシーで向かっている最中のこと。蒼国来の昇進を知った後援者の方々や私の知人などから、ひっきりなしに電話がありました。「おかげさまで蒼国来が……」とお礼を言って電話を切ると、また次がかかってくる。

「今はタクシーなので長電話できませんが……」と、お礼もそこそこに切るとまた次。そんなことが延々と続きました。

 当時、私が使っていたのはガラケー。あれは長時間使い続けていると、熱くなったバッテリーが膨らむんですよね。延々とかかってくる電話に私のガラケーは熱を持ち始め、バッテリーがお餅のように膨らみ……。

 慌てて携帯ショップに駆け込んでバッテリー交換をお願いしたところ、店員さんは「できません」と無情のひと言。火が出る寸前だったようで、見せてもらったガラケーの内部は真っ黒! バッテリー交換どころか、携帯自体を買い替える羽目に。いや、ほんとに蒼国来の十両昇進は「高く」ついちゃったんです。

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