著者のコラム一覧
大豊昌央元大相撲力士

本名は鈴木栄二。1955年3月29日、新潟県北魚沼郡堀之内町(現魚沼市)出身。73年に時津風部屋に入門し、同年11月場所で初土俵。81年1月場所に新十両に昇進し、82年5月場所で新入幕。83年1月場所は新三役として小結を務める。87年1月場所後に引退し、時津風部屋の部屋付き親方となり、2002年に独立。20年に蒼国来に部屋を継承させ、相撲協会を退職。主な弟子は蒼国来、若隆景、若元春ら。最高位は小結。

蒼国来は冷たい水を一切飲まず…入門当初は互いに文化の違いを痛感しっぱなし

公開日: 更新日:

 2003年に初めての外国出身力士である蒼国来を迎えた荒汐部屋ですが、我々も本人も文化の違いに困惑することは何度もありました。

 よく焼かれた肉しか食べない、ヨーグルトをご飯にかけて食べるのは前回お話ししました。それ以外でも、食べ物で言えば魚の骨は絶対に食べませんでした。日本人なら気にしない、干物にある髪の毛ほどの細い骨でも、律義に全部取る。骨=食べられないもの、という常識の下で育っているからです。

 中でも驚いたのは水ですね。水道水だろうがペットボトルだろうが、冷たい水は一切飲まない。飲む時は必ず、ポットで沸かしてから口にしていました。彼の生まれ育った土地の事情を考えれば、無理もありません。私が電気ポットを買ってあげたところ、どこに行くにも持ち歩いていました。

 そんな蒼国来も、今では日本の食事にすっかり慣れています。最初は食わず嫌いが多かったけど、一度食べてみると「おいしい」と。水だって、今や彼にとって氷は必需品なのだから、慣れとは実に面白いですよね。

 最初は大変でした。来日する前からレスリングで鍛え上げた筋肉質な体形もあって、どうやって太らせればいいか悩みました。いろいろと考えましたが、やはり、日本の生活に馴染まないことには太れない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁