山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

「村神様」が流行語大賞受賞…野球関連語は現代ではもう通用しないのだ

公開日: 更新日:

 この野球認知度の低下によって、私は普段の講義や学生指導などでも常に注意を払うようになった。野球関連の話題というのは、あらゆる社会的な場面にも置き換えられる便利な側面があるため、油断するとついつい使ってしまいそうになるのだが、今はほとんど通用しなくなっている。

 たとえば、自分には派手な長所や特技がないと悩んでいる学生に「4番打者だけで社会は成り立たない。2番打者の仕事だって重要なんだ」と励ましても伝わらない。正攻法の就活では内定をとれないと悩んでいる学生に「150キロの真っすぐがなくても、変化球と制球力を駆使して打者を打ち取ることもできるんだよ」とアドバイスしても響かない。失敗して落ち込んでいる学生に「どんな大打者でも10回中7回は失敗するんだから、失敗を恐れずバットを振ることが重要だ」と諭しても怪訝な顔をされる。

■おじさん世代特有の人生訓

 要するに、我々おじさん世代お得意の野球的人生訓は、その前提知識が共有されていた時代だから通用したわけで、今は4番打者をアイドルグループのセンターに置き換えたり、変化球的な生き方をブサイクの恋愛術に置き換えたり、そういう工夫が必要だ。

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