大谷翔平に“究極のプラス思考”ゆえの懸念…与四死球増とスタメン落ち、2つの異変が意味すること

公開日: 更新日:

 開幕から3試合に登板して、まだ、1点しか取られていないのが大谷翔平(28=エンゼルス)だ。

 日本時間12日のナショナルズ戦は今季最長となる7回を投げ、1安打無失点で2勝目。防御率0.47は3試合以上に先発したメジャー投手の中でトップの数字だ。そんな大谷に異変が生じている。

 五回終了時に審判に呼び止められ、不正投球を疑われたのも異変といえば異変。左袖に付けているサイン伝達機器に触れたことを勘違いされたのだが、これまでとは明らかに異なる事象が見られた。

 ひとつは与四死球の多さ。この日は5四球と1死球。前回登板のマリナーズ戦は4四球と2死球。計13回で12もの四死球を与えた。「やっぱり四死球が多い。投げていて疲れるし、(守っている)味方も疲れる。良くない点だと思う。一日一日、健康に、試合をこなしていくのが一番」とは試合後の本人だ。

 もうひとつは、13日のデーゲーム(対ナショナルズ)のスタメンを外れること。大谷はここまで11試合、すべてスタメン出場しているだけに、先発メンバーから外れるのは今季初。翌14日は試合がなく、15日から東海岸でレッドソックス、ヤンキースと7連戦。つまり実質2連休になる。「シーズン序盤に大きな仕事をしてくれた。(15日の試合は)早朝に始まるので、休ませる。代打はあるかもしれないが、スタメン出場はしない」とはネビン監督だ。

■記者の問いかけに「球速と制球は表裏一体」

 この2つの異変に、実は大谷のプラス思考が深く関わっているのではないか。

 大谷は自信家というか、強いプラス思考の持ち主だ。高校からプロ入りしたときは、球界OBが「投手も野手もやるのは不可能」などと辛辣な声を上げる中、当然のように二刀流にチャレンジした。当時、日本ハムのGMだった山田スカウト顧問は、日刊ゲンダイのインタビューでこう答えている。

「『周りにピッチャー専門の人がいれば、野手専門の人もいるのに、そんなこと(二刀流)僕が最初からやっていいんですか?』とか、そういうことを聞いてくるじゃないですか、フツーは。けれども、何も言わなかった。悩みがあったりすれば、そのときは聞いてくるだろうと思っていたのに、まったく言ってこない。ですから結構、楽しくやっているのかなと。その辺、神経というか考え方は一般的な高卒選手じゃないですよね」

 日本ハム時代、日刊ゲンダイが速い球を投げようとすれば、制球が乱れるのではないかと聞くと、「(球速と制球は)表裏一体。正しいフィジカルで、正しい投げ方をすれば、球速は上がるし、コントロールもよくなる」と答えた。

 実際、日本のプロ野球だけでなく、メジャーでも二刀流として、投打でトップクラスの成績を残すようになった。コンスタントに160キロ近い速球を投げながら、制球も年を追うごとに改善された。メジャー1年目の18年は9イニングに約4個の割合だった与四死球が、昨年9月以降は約3個と減少した。打者としても一昨年は46本塁打でタイトルを争うようになった。

 最初から結果を出せるという自信や根拠があるのかはともかく、プラス思考で目の前の壁を次々にクリアしてきた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも