山梨学院高校・吉田洸二監督を直撃! 苦節10年でセンバツV、春夏連覇への意外な思い

公開日: 更新日:

「すぐに強くなるだろう」とナメていました

 今センバツで山梨県勢初の甲子園大会優勝を果たした山梨学院高校・吉田洸二監督(53)が日刊ゲンダイの単独インタビューに応じた。

 清峰(長崎)時代の2009年センバツに続く優勝で、2校で全国制覇した監督は原貢監督(三池工、東海大相模)、木内幸男監督(取手二、常総学院)、上甲正典監督(宇和島東、済美)に次ぐ4人目の快挙だった。13年4月の就任から10年。学生コーチから20年に就任した監督の長男・吉田健人部長(26)との二人三脚の歩みなど2回に分けて聞いた。

【写真】この記事の関連写真を見る(40枚)

 ◇  ◇  ◇

 ──昨年まで春夏通じて9度甲子園に出場したが1大会1勝止まり。2勝の壁が破れなかった。

「最初の頃は甲子園に出られて喜んでいましたが、『出ても負けるなら(山梨)学院は出るなよ』という声が聞こえてきて、つらかったですね」

 ──今大会は1回戦から破竹の6連勝。なぜ勝てた?

「2回戦と3回戦で県立高校の氷見(富山)さんと光(山口)さんと当たって、3回戦の五回が終わった時かな。2点を追う光の選手や監督さんの姿を見ていたら、同じ県立の清峰の監督だった頃を思い出したんです。勝利は二の次で甲子園の舞台に立てるだけでうれしいという気持ち。山梨に移って10年間、ずっと忘れていたものがよみがえった。甲子園で勝てない原因は選手じゃなくて私だったんだと。選手たちの足を引っ張るのはもうやめようと思いました」

 ──足を引っ張るとは?

「1、2回戦のビデオを見ると、選手がミスをした時に私の顔が引きつっていたんですね。山梨学院は今まで甲子園で2勝したことがないと勝手に硬くなっていた。そういうものは選手たちに伝染する。甲子園は自分が勝つためにあるんじゃなくて選手が楽しむ場所。だから、ベンチで選手に声を掛ける時は、常に笑顔を心がけた。負けてもいいから、みんながノビノビできる雰囲気づくりをしようと切り替えました」

 ──清峰の監督時代はどう甲子園に臨んでいた?

「修学旅行じゃないけど、いいホテルに泊まって、おいしいご飯を食べて、1試合でも多くできればいい。ご褒美なんだから負けてもいいと。すると、チームに勢いが出始めたので、やっぱり私が足を引っ張っていたんです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  3. 8

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  4. 9

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 10

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?