大谷翔平の打撃データに明らかな異変…「打球角度」と「チーム打撃」が本塁打量産を阻む

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 日本時間19日のヤンキース戦の第1打席。エンゼルスの大谷翔平(28)は強烈なライナーを右翼スタンドへ叩き込む今季4号2ランを放った。

 打球速度は今季のメジャー全体で4位の約187.8キロ(19日現在)。打球角度は自身の本塁打で過去2番目に低い19度だった。メジャー屈指のパワーを持つ大谷ならではの打球だった。

 21日現在、18試合で4本塁打。シーズンに換算して約40本塁打ならペースとしては悪くない。ただ、今季は極端な守備シフトが禁止され、ピッチクロックが導入されるなど打者に追い風が吹いている。両リーグで3割打者が続出しているだけでなく、カブスのウィズダムが16試合で8本塁打、メッツのアロンソも19試合で8本塁打と驚異のペースでアーチを量産。大谷であれば、もっと本塁打を打っていても不思議ではない。

 19日に今季初めて屋外のフリー打撃を行った際は20スイング中12本の柵越え。最終3セット目は4連続でスタンドに叩き込み、ヤンキースファンも拍手喝采だった。しかし、大谷は屋外でフリー打撃は行わず、室内で打ち込みをするのが常。屋外で打った理由について本人は「飛ばす感覚というか、それは中ではできない。今後もちょこちょこ入れたい」と話したように、肝心の試合でなかなか打球が上がらない状態が続いているのだ。

 去る10日のブルージェイズ戦。花巻東高の先輩である菊池から1本塁打を含む2安打を放った。大谷らしく左中間に大きな放物線を描いた本塁打は、内角低めのスライダーをうまく捉えたものの、ライナーで中前に運んだ2本目は高めに抜けたスライダーを強振するも、ボールの上っ面を叩いた。打球角度はわずか7度。一塁ベース上で一塁コーチに対して首をひねるしぐさを見せたのも当然で、角度がついていれば本塁打になっていただろう。

 これはデータにもハッキリと表れている。今季の大谷の平均打球角度は8.9度。46本塁打を放った21年の16.6度の約半分で、通算の11.9度より3度も低い。

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