山本由伸ドジャース入りの波紋…一球も投げずエース格の稼ぎになった重圧、他選手からの妬み

公開日: 更新日:

獲得に貢献した大谷翔平が背負う責任

 日本の“サイ・ヤング賞”右腕獲得の裏に二刀流ありだ。今オフの大谷翔平FA市場最大の目玉として複数の球団との交渉の席に着いただけでなく、自らもネゴシエーターを務めた。

 ド軍と日本時間12日に合意した大谷は、翌13日にドジャースタジアムで行われた山本サイドとの直接交渉に出馬。当日はムーキー・ベッツ(31)、フレディ・フリーマン(34)のMVPトリオの他、正捕手のウィル・スミス(28)とともに山本の勧誘にひと役買った。

 ニューヨーク・ポストのジョー・ヘイマン記者が自身のSNSで「大谷の特殊な契約で今回の(山本との)契約が実現した」と伝えたように、総額996億円の約97%にあたる約966億円を後払いにしてチームの補強費用を捻出。余った予算を山本獲得の資金に回せるからだろう。スポニチの報道によれば、「ぜひ山本を獲得してほしい」とド軍フロントに強く進言したそうだ。「ヒリヒリする9月」を過ごし、熱望するポストシーズン進出、チャンピオンリングを手にするために山本が必要だと訴えたのだ。

 今月17日にレイズからトレードで加入した先発右腕グラスノーは、大谷からビデオメッセージで「君のために本塁打を打ちたい」と伝えられて移籍を決断。山本にしても、共に今春のWBCを戦い、今やメジャーを代表するスーパースターである大谷に口説かれて心を動かされたのは想像に難くない。

 ヤンキース、メッツら金満球団との争奪戦を制し、山本取りに成功した大谷の貢献度が大。しかし、貢献度が大きい分、その山本が大型契約に見合ったパフォーマンスを発揮できなかった時、大谷も火の粉を浴びることを覚悟すべきだ。

■独り勝ちのドジャースに向けられる敵意

「Dodgers are UNFAIR(ドジャースは不公平だ)」

 山本のドジャース入りを受けて、X(旧ツイッター)でこうポストしたのは、米メディアの「Bleacher Report」。

 今オフのFAランキングで1、2位の2人に総額10億2500万ドル(約1460億円)もの大金を投じて両取りしたことを皮肉った。

 米国内では、そんなドジャースに対する風当たりが強まっている。ヤンキースとメッツは同様に山本獲得に力を入れ、山本の希望で2度目の交渉も行った。ヤンキースは山本が今季、ノーヒットノーランを達成した試合を視察したキャッシュマンGMらが日本時間12日、18日に交渉。スタインブレナー・オーナーも交渉の席に着くなど本気度の高さをうかがわせた。

 メッツに至っては、コーエン・オーナーが11月に山本を訪ねて大阪へ。高級フレンチを振る舞った上に、今月17日には自身の自宅に招いてディナーを囲んだ。

「同じナ・リーグ西地区に所属するジャイアンツも、大谷に次いで山本も取り逃しただけにダメージはデカい。ドジャースに対する敵愾心はますます膨らんだはずです。日本人選手2人は取れなかったものの、このオフは韓国の好打者・李政厚を獲得するなど、21年以来の地区優勝に向けて着々とチームを強化している。大谷はもちろん、山本も徹底的な研究で丸裸にされ、本拠地・オラクルパークでは、強烈なブーイングを浴びることを覚悟しておいた方がいいでしょう。しかも山本は、メジャーで一球も投げていないにもかかわらず、投手史上最高額の契約を結んだ。他選手からの妬みも相当なものだと聞いています」とは、現地特派員だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  3. 8

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  4. 9

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  5. 10

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃