「批判」と「誹謗中傷」を一緒くた…J1町田の刑事告訴に見える藤田晋オーナーの「雀士」の顔

公開日: 更新日:

■「理想」は邪魔

 サッカーメディア関係者はそう指摘すると、こうも付け加えた。

「藤田社長は若い頃、麻雀をはじめとするギャンブラーでならした人です。ギャンブラーには、『理想』など勝負の邪魔。今、Jリーグの強豪チームは海外に次々と人材を引き抜かれて、理想とされてきた欧州のビッグクラブのような華麗なポゼッションサッカーが不可能になってきた。だから川崎フロンターレや横浜F・マリノスが見る影もなくなっている。藤田社長は今こそリアリズムで勝負するときと思っているのではないでしょうか」

 青森山田高を率いて負けたらそれで終わりの高校サッカー選手権で実績を残してきた黒田剛監督を起用し、ファンの批判も馬耳東風、ルールぎりぎりで勝負に徹する。それは藤田社長のフィロソフィーでもメソッドでもあるのだろう。

 FC町田ゼルビアは、J1リーグに初昇格の今シーズンは首位を快走。だが、夏場になると徐々に順位を下げ、現在は首位争いから脱落しかかっている。ここが正念場と、藤田氏は批判を封印し、優勝争いを続けるためのムチを入れた。FC町田ゼルビアの「誹謗中傷」への刑事告訴は、そのようなピッチ外での勝負でもあると、関係者には見られている。

(清義明/ルポライター)

  ◇  ◇  ◇

 そんな町田を率いる黒田監督はその言動でことあるごとに大炎上してきたが、いったいどんな人物なのか。徹底的にその正体に迫った連載は、●関連記事から読むことができる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  2. 2

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪

  1. 6

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  2. 7

    悠仁さま「9.6成年式」…第1子出産の眞子さん、小室圭さんの里帰りだけでない“秋篠宮家の憂鬱”

  3. 8

    参政党議員「初登院」に漂った異様な雰囲気…さや氏「核武装」に対しゼロ回答で現場は大混乱

  4. 9

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  5. 10

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー