パパ大谷翔平に課せられる“未体験ゾーン”からの脱却…寝不足、長くしたバット、投手挑戦しながらDH
二刀流調整で負担増幅
今季からバットの長さも変化した。昨年の34インチ(約86.4センチ)から34.5インチ(約87.6センチ)~35インチ(約88.9センチ)に伸ばしたのだ。
バットが長くなれば遠心力が増して飛距離アップが期待できる半面、扱いが難しくなる。2年前も34インチから34.5インチにしたものの、最終的に34インチに戻して44本塁打で初のタイトルを獲得した。本人は自身最多の54本塁打を放った昨年を上回る飛距離を狙っているのだろうが、現時点で明らかな成果は上がっていない。
投手調整をしながらのDHも、メジャー8年目で初めてだ。
1度目の右肘手術明けの20年は当初、DHをやりながらマイナーの調整登板を経て復帰登板する予定だったが、コロナの影響で開幕が7月下旬にズレ込んだためスタートから二刀流が可能だったのだ。
打者の調整に専念した開幕直後は好スタートを切るも、投手としての調整が入ると打撃は下降線をたどった。基本的に日本時間の木曜と日曜にブルペン入りするスタンスも、父親リスト入りしてスケジュールは流動的になった。直近では27日に10日ぶりのブルペン投球を行い、次は5月4日と間が空く予定だ。
「本人も言っていたように、投手としての調整が入ると、打者専任より負担は増える。打者としていまひとつなのは、投手としての調整も原因ではないか。15勝して唯一、サイ・ヤング賞投票で4位に入った22年は、34本塁打と前年の46本を大きく下回りましたから」(前出のデービス氏)
日本時間1日のマーリンズ戦は4打数1安打1四球1盗塁。八回の第5打席には低めの変化球に体勢を崩されながらも中堅フェンス直撃の三塁打を放った。
大谷は「寝不足」「長くしたバット」「投手調整しながらのDH」を克服して、「上がらない打球」や「当てにいく打撃」から脱却できるのか──。
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ところで大谷と真美子夫人の子供の将来性に早くも注目が集まっているが、大谷自身の“血筋”も相当なものだ。父はプロを目指し社会人野球を経験した俊足選手で、母もあるスポーツで全国大会に出場した経歴を持つ。今ではすっかりメディア露出を控える両親が過去に日刊ゲンダイに語った衝撃のエピソードの数々とは。それらを網羅した連載、【二刀流の血脈】も要チェックだ。