投手大谷が641日ぶり実戦投球も…二刀流が打撃の足を引っ張りかねない不吉なデータ
ドジャースの投壊現象は深刻
スポーツライターの友成那智氏は「大谷の二刀流は隔年の傾向がある。投手として良い年は打者としていまひとつで、打者として良い年は投手としていまひとつ。いまひとつといっても十分、合格点ですが、同じ年に投打とも突き抜けた数字を残しているわけではない」と言っている。
実際、メジャーでの実質的な二刀流元年ともいうべき21年は9勝2敗、防御率3.18。投手としてはいまひとつも、打者としては46本塁打で最後までタイトルを争った。
翌22年は15勝9敗、防御率2.33。投手としてサイ・ヤング賞投票でリーグ4位に入ったとはいえ、打者としては打率.273、34本塁打と一発が減った。
23年は10勝5敗、防御率3.14。投手としては前年の成績を下回ったが、打者としては44本塁打で初のタイトルを獲得した。
顕著だったのは2度目の右肘手術明けで投手をやりたくてもできなかった昨24年だ。
54本塁打、130打点で2冠を獲得。打率.310はリーグ2位と、三冠王も視野に入ったほど。メジャー初の50本塁打-50盗塁を達成し、DHとしては史上初、通算3度目のMVPを獲得した。
シーズン中にブルペン入りしたことはあったとはいえ、あくまでもリハビリの一環。「負担」や「リカバリー」が生じるようなものではなかったからこそ、打者として突出した数字を残すことができたのだ。
大谷の直近5試合は21打数3安打の打率.143、1本塁打、1打点。マルチ安打もない。それもこれも連日、キャッチボールでもスライダーを投げるなど投手としての調整が本格化して「負担」や「リカバリー」が生じた結果ではないか。
ドジャースの投壊現象は深刻だ。勝ちパターンは打ち勝つことだけに、重要な得点源である大谷をラインアップから外すわけにはいかない。首脳陣がいまだ大谷の投手としての復帰時期を逡巡しているのは、投手をやることが打撃に与えるダメージを危惧しているからに他ならない。