ロッテ吉井理人監督の意外な「激情時代」 コーチの延々続く説教中に箸をバーン!殴りかからん勢いで…

公開日: 更新日:

「勝ったことはメデタイけど、あの辺はまだまだやなぁ」

「1勝したくらいで浮かれとったらアカンぞ」

 そんな趣旨のことを吉井に向かってしばらく言い続けた。吉井も最初は、はい、はいと我慢して聞いていたものの、小言は延々と続いた。そばで聞いていた私も、さすがに初勝利を挙げたばかりのタイミングで言うことではないと思い始めた直後だった。

 吉井は持っていたハシをバーンと投げると、その首脳に殴りかかるような勢いでイスから立ち上がった。

「やめろ! ヨシ!」

 私はこう言って吉井を制したーー。

 吉井は当時、気性が激しかった。いまでは自分を戒めてくれたその首脳に感謝すらしているという。「叱ってもらえること自体が幸せ。そういう人たちがいていまがあると思う」と話すように、引退後はコーチとして日本ハムソフトバンクロッテと行く先々で結果を出し、日本代表の投手コーチに就任している。

 ともあれ「10.19」当時の吉井は感情の抑えが利かない状態だったように思う。川崎球場で行われたダブルヘッダーは連勝が優勝の条件。その1試合目、九回2死から梨田昌孝さんのタイムリーで勝ち越し、その裏の攻撃を抑えれば優勝マジック「1」。しかし、球審に際どいコースをことごとくボールと判定されたことが、吉井の気持ちをかき乱したのだろう。先頭打者を歩かせ、続く代打の山本功児さんにもボールが先行。2ボールとなった場面で、仰木さんがベンチから出てきたのが分かった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒