2016年夏制覇の右腕、西武・今井達也が語る「聖地のすべて」と「プロでの現在地」
選手自ら考えてやる
──練習の思い出は。
「とにかく実戦練習が多かった。紅白戦や練習試合は、ほぼ毎日。練習では常に試合を想定していました。公式戦では監督からサインが出た記憶はあまりないんです。選手自ら考えてやるのが作新のスタイルでした」
──同級生の入江大生(DeNA)はライバルとして意識していましたか?
「ライバルとかそういう感じではなかったんですよ。プロに入ってからは顔を合わせる機会は減りましたが、会えば普通に話します」
──練習は厳しかった?
「もう毎日しんどかったですよ。僕が一番苦手だったのは食事ですね。2年生の秋に寮生になってからは、部で用意されているとんでもない量のお昼ご飯を食べないといけない。昼休みの間に食べきれないと、放課後に急いで残りを食べてから練習に行く。当然、残したらバレて怒られる。僕は食が細いので、練習より食事が一番きつかった」
──厳しい食トレで土台をつくって、練習に臨んでいた。
「実戦形式の練習に登板しない投手は、おのおのでトレーニングするのが習慣でした。その時から自分で考えながら練習する癖はついていました。どうやって練習していたか? 思い付きですね(笑)。こんなことをやってみよう、とか。そのおかげか、良い意味で周囲に流されないようにはなりました。あくまで自分は自分の練習をするだけ、と」