本多雄一は生真面目すぎるあまり、何度も取材時間がオーバーした
プレースタイルは堅実ですが、ここぞでガッツを見せてくれる。2012年の日本ハムとのCSファイナルステージ3戦目では、札幌ドームのフェンスに頭から激突しながらダイビングキャッチ。頚椎捻挫で病院直行となりましたが、それでもボールをこぼしませんでした。当時、一軍内野守備走塁コーチだった鳥越裕介も「ボールを離さなかったのが偉い!」と絶賛していました。
そうしたプレーができる男だから、女性ファンも多い。いまでも球場では「ポンちゃーん!」と黄色い声援が飛ぶこともあります。
コーチとしても勉強を欠かさず、自分の考えをしっかり持っている。
例えば取材の時、まず自分の考えをハッキリ言う。しかし、メディア側もいろいろと話を引き出そうと、本多の考えとは違うことなどをわざと振ってきます。すると本多は「いや、そうじゃないんです」とキッパリ言い、また自分の考えをイチから説明する。だから、取材時間が予定時間をオーバーすることも多々ありました(笑)。
生真面目なのはいいのですが、こんなことも。僕が二軍マネジャーから一軍の広報チーフになった時、本多は「マネジャー、よろしくお願いします」と言ってきた。「いやいや、俺は広報だから」と言いましたが、「僕の中でプロのマネジャーといえば田尻さんです」と。その気持ちはうれしいのですが、他のスタッフの手前もあります。僕も「わかったわかった。それ以上言うなよ」とクギを刺すにとどめました。


















