少年野球チーム立ち上げ18年…甲子園準V、プロ78勝の鉄腕が深刻な野球人口減少を憂い警鐘鳴らす
前田幸長(野球評論家)

常に持ち歩く名刺には【都筑ジャイアンツポニー 会長 前田幸長】とある。ロッテ、中日、巨人と渡り歩いた19年間のプロ野球生活で595試合に登板、通算78勝を挙げた細身の鉄腕左腕は、自身が立ち上げた少年野球チームの会長になって18年目を迎えた。700人を超える教え子を送り出し、野球界の底辺拡大に尽力してきたが、その会長が最近、「競技人口の減少が加速する中、縄張り争いなんかしている場合じゃないでしょ!」と憤っていると聞き、横浜市内にある専用グラウンドを訪ねると……。
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──2008年にご自身で野球チームを立ち上げた。きっかけは?
学童野球をやっていた長男が中学生になるタイミングでした。野球を続けたいと言うので、複数のチームを見学に行ったのですが、息子を預けてもいいなと思うところがひとつもなかった。
──どういった点が気になったのですか。
抜き打ちでこっそり見に行ったのですが、どこも指導者が大きな声で子供を怒鳴りつけていた。昭和の感覚が抜けていない。僕らの時代は叩く、怒鳴るが当たり前でしたけど、昔とは違う。僕の中でそれは普通じゃないよ、と。ここはというチームがないのなら、だったら自分でチームをつくり、自分がいいと思うやり方で子供たちに野球を教えた方がいいと。
──とはいえ、チームをゼロからつくるのは大変だったのでは。