所属するトヨタ自動車に育休制度を提案、実現させたトップ男性アスリートに聞いた

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西山雄介(男子マラソン2022年世界選手権代表)

 今年4月、男性の育休が話題になった。きっかけはドジャースの大谷翔平の「父親リスト」入り。時を同じくして、この国内トップ男性アスリートが育休制度を取得した。子供は2歳の長女、6カ月の長男。所属するトヨタ自動車で競技と育児を両立できる独自の育休制度を提案、実現させた。現役男性アスリートにとって大きな一歩。そのパイオニアに話を聞いた。

■「取るに取れない」と一度は諦めた

 ──まずは育休について考えるようになったきっかけを教えてください。

(2022年に)1人目が生まれたとき、会社の上司から「育休ってどうする?」という話をされました。陸上部の僕たちにとって競技の活動は「業務」にあたります。育休を取ると練習ができなくなり、もちろん試合にも参加できない。育休制度があっても競技のことを考えるとやはり取得するのは難しい。そのときは「取るに取れないので、取りません」という返事をしました。

 ──前例がなかった。

 そうですね。まず最初に上司と相談したときも、上司も「(アスリートの場合)どういう扱いになるんだろうね」と言っていた。過去に運動部で取得した人がいなかったし、従来の制度通りだと競技活動は停止になってしまう。でも、僕の中では1人目の子供のときから「どうにか競技を続けながら育休を取れるんじゃないか」と思っていました。

 ──普段の勤務形態は?

 通常は午前8時から午後5時までなんですが、陸上部は朝の練習と午後練習の兼ね合いで、合宿などがなければ基本的には9時から午後2時までの出勤。週2~3回、ポイント練習という強度の高い練習をしますが、それ以外は各自好きな時間に好きな場所で走ることができます。

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