兄が弟の仇討ち?横綱豊昇龍が立ち合い変化で黒星の「自業自得」
仕掛けた方も仕掛けられた方も、バツが悪そうな表情だった。
14日の大相撲9月場所6日目、結びの一番で横綱豊昇龍(26)が秒殺され、2敗目を喫した。相手は1勝4敗と負けが込んでいる平幕の若元春(32)。立ち合い変化ではたき込まれ、今場所2敗目である。
若元春は取組後のインタビューで、「まあ……まあ……頑張ってきた結果かな」と、歯切れが悪かったように、立ち合い変化は何かと物議を醸す手であることは間違いない。
小兵力士の場合は「さすが!」と賞賛されることが多いが、上位力士が使った場合は「汚い」と非難されがち。それでいて、窮地に陥った横綱や大関が注文相撲を行った時は「勝利への執念が垣間見えた」と、擁護されるケースが多い。使い手や状況次第で評価が変わると言える。
「それでも変わらないことがある」と、角界OBがこう続ける。
「横綱や大関が立ち合い変化で負けた場合は、『食う方が悪い』というものです。彼らは地位に見合った相撲が要求される一方、下位の力士には何を仕掛けられても文句は言えない、という不文律のようなものがある。特に横綱はそれが顕著。若元春は注文相撲をする力士ではないため、豊昇龍も無警戒だったのでしょうが、それでも横綱である以上、『想定していなかった』は通用しない」


















