著者のコラム一覧
吉田賢フリーアナウンサー

1960年、広島県尾道市出身。83年にNHKに入局し、87年から大相撲中継を担当。以来、定年退職した2025年5月場所まで、実況アナとして活躍した。高校野球、メジャーリーグなど相撲以外のスポーツ中継歴も豊富。出身地にちなんで「しまなみ親方」の愛称で親しまれている。

「タイタニック」のジェームス・キャメロン監督を驚嘆させた立ち合いの神秘

公開日: 更新日:

■パリっ子、どよめく

 今年6月、パリ公演に同行したときも、私はこの「合図なき始まり」「呼吸による開始」を、現地の大相撲ファンに伝えたいと思った。力士を招いた公演前夜のトークショー「大相撲の夕べ」で、ちょうど説明役を務めることになっていたので、立ち合いの実演を企画した。

 まずはその日の登壇者の一山本と、司会役のフランス人男性ジャーナリストが、舞台に敷いた仕切り線に手をついて向かい合った。が、男性ジャーナリストは気がせいてしまうのか、ワンテンポ早く立ち上がってしまう。仕切り直してやってみたが、やはり合わず、立てなかった。合図なしに相手に合わせるのは、見た目よりも難しいのだ。

 そこで、男性ジャーナリストに代わって、この日のもう一人の力士、欧勝馬が臨む。力士2人の立ち合いはバシッと決まり、会場はどよめいた。

 誰も、何も言わず、合図もしない。互いに「呼吸」を感じて立つ──。好角家の作家、村松友視さんはこれを「阿吽(あうん)の呼吸という神秘」といった(「北の富士流」)。さあ、お立会い、立ち合いに注目を!(構成=山家圭)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大苦戦「うたコン」がテレ東音楽祭と昭和歌謡に寄せて復活のノロシ! 矢沢永吉、井上陽水の名曲も次々と…

  2. 2

    Number_i「100億円プロジェクト」始動 矢沢永吉も壁にぶつかった世界進出がいよいよ現実に

  3. 3

    大和ハウスが「新築戸建て住宅」販売を都市圏に集約…もやは地方で売るのが難しくなった背景

  4. 4

    クレイジーケンバンド横山剣さん「五木寛之さんからいただいた歌詞は、すぐにメロディーが思い浮かびました」

  5. 5

    《芸能界ってなぜ『在日』を隠すの?》…中村ゆりさんがルーツを胸に「負けん気」を貫いた44年の生涯

  1. 6

    巨人・戸郷翔征が試合ブチ壊し! 桑田真澄前二軍監督が去り、漂う「万策尽きた感」

  2. 7

    日本ハム助っ人レイエスに「70万ドル請求訴訟」 タティスJr.も敗れた“収入10%契約”の落とし穴

  3. 8

    『スマスロ ミリオンゴッド』導入から4カ月、目立つ空き台の裏でファンが期待するホールの対応

  4. 9

    巨人ベテラン坂本勇人の評価が爆上がり! 改めてクローズアップされそうな「打撃・守備以外の魅力」

  5. 10

    萩本欽一〈45〉斉藤清六を全国区にした誰も知らない裏話 “弟子入りNG”から評価を一転させたんです